高円宮牌2017ホッケー日本リーグ女子は、10月15日(日)、岐阜県川崎重工ホッケースタジアムにおいて、ファイナルステージ最終日を開催しました。
<最終順位>
優勝:ソニーHC BRAVIA Ladies(3年連続9回目)
準優勝:コカ・コーラウエストレッドスパークス
3位:⼭梨学院CROWNING GLORIES
4位:⽴命館ホリーズ
5位:南都銀⾏SHOOTING STARS
6位:グラクソ・スミスクラインOrange United
7位:天理⼤学ベアーズ
8位:駿河台⼤学LADYBIRDS
9位:東海学院大学
10位:聖泉大学
9:30 7位決定戦『天理大学ベアーズ』 1対0 『駿河台大学LADYBIRDS』
昨年6位の『天理大学ベアーズ』と、同9位の『駿河台大学LADYBIRDS』との対決。
小雨模様で始まった試合は、開始から総合力を活かした『天理大学』がゲームコントロールして相手陣内へ攻め続けるものの、シュートまでは持ち込めない。一方、『駿河台大学LADYBIRDS』は、中盤からのプレスを強めてパスカットを狙い、10番松本ひかる選手を中心とするフォワードのスピードを活かしてロングパスからカウンターアタックを繰り広げるという展開が第3クォーター終了まで続き、両者一歩も譲らない試合となった。均衡を破ったのは、天理大学。51分『天理大学ベアーズ』10番の松本夏波選手による強烈なヒットシュートがゴールマウスの左隅に吸い込まれて1対0とする。その後もそのまま終了のホイッスルが会場へ鳴り響き、『天理大学ベアーズ』が勝利を収め、年間順位を7位とした。
惜しくも1点差で負けて8位となった『駿河台大学LADYBIRDS』の米山千春主将は、「攻められていても得点を許さない守備はできていましたが、カウンターアタックからの得点チャンスを活かさないと勝てないということが重い試合結果となってしまった。」と語りました。
また、辛勝で7位の順位となった『天理大学ベアーズ』の長谷部監督は、「なかなか思うようにはいかない試合でしたが、なんとなく、こんな感じかなというしっかりとしたイメージを掴められたホッケー日本リーグの1年でした。来年はトップを目指せるチームづくりにします。」と、1年間を通して試合を見てきた分析力を内に秘めながら来年に向けて語りました。
11:10 5位決定戦『南都銀行SHOOTING STARS』 3対1 『グラクソ・スミスクラインOrange United』
昨年3位の『南都銀行SHOOTING STARS』と、同2位の『グラクソ・スミスクライン Orange United』との対決。雨模様の中で開始された試合は、お互いに激しい攻防戦が第1クォーター終了まで続く。第2クォーターに入った19分に、『南都銀行SHOOING STARS』10番の大塚志穂選手による先制点の後、21分にはPCから9番の野村香奈選手がフリックシュート、続く22分には、またしても10番の大塚志穂選手がディフェンスからのリバウンドをヒットシュートで決めて3対0とする。第4クォーター49分にPCを得た『グラクソ・スミスクラインOrange United』は、3番の近藤理美選手がヒットシュートを決めて1点を返すが、反撃もここまで。3対1で『南都銀行SHOOTING STARS』が勝ち、5位となった。
『グラクソ・スミスクラインOrange United』主将の齋藤美咲選手は、「立ち上がりに精彩を欠いて、第2クォーターで3失点したあとも攻撃し続けていたが決定力にも欠けて、1点しか返せずに負けてしまったのが悔しい。キャプテンとして、若い選手のホッケーに対する思いの声を吸い取ってチームを作ってきましたので、必ず強いチームになると信じて、これからもやっていきます。」と、負けた悔しさを来年に上位を狙う力強い言葉で話してくれました。
勝利して5位となった『南都銀行SHOOTING STARS』の樋口監督は、「試合の流れとしては悪くなかった。全体でボールを運んでいかにゴールまで結びつけるかが大事だと思っていた。第2クォーターはいいテンポで3得点できたが、その得点までのボールの運びの流れをコンスタントにできていたか。これからの課題だと思う。開幕戦から勝たなくてはいけない試合を引き分けたり負けたりということがあったので、来年以降のためにチームを作り直していくことも重要となってくる。ただし、プレイスタイルが以前と比べて変わっていく過程であり、来年は、さらに上を目指していく。」と話してくれました。
12:50 3位決定戦『山梨学院CROWNING GLORIES』 1対1 『立命館ホリーズ』
シュートアウト戦(SO)の結果、『山梨学院CROWNING GLORIES』が勝利。
昨年8位の『立命館ホリーズ』と、同5位の『山梨学院CROWNING GLORIES』との学生同士対決。
日本代表でも活躍する河村元美選手を欠いた『山梨学院CROWNING GLORIES』は、開始早々、立命館ホリーズに攻め込まれる。開始7分にPCを得た『立命館ホリーズ』、6番の横田あずさ選手がゴールを決める。その後、試合が動かずそのまま終了かと思われた第4クォーター残り2分、『山梨学院CROWNING GLORIES』26番の鈴木美結選手が同点弾を挙げて1対1と試合を振り出しに戻す。両者譲らずシュートアウト戦(SO)対決で、『山梨学院CROWNING GLORIES』が勝利を収めた。
終了間際に同点弾を浴びSO戦で惜敗し4位の順位となった『立命館ホリーズ』の山田監督は、「残念な結果になりましたが、いい形で『立命館ホリーズ』らしいホッケーができたので悔いはないです。今年は、今まで最高の4位を獲得できたことは喜ばしい1年でした。来年は、今年以上の成績が取れるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。」と話しました。また、主将の笠丸千夏選手は、「立ち上がりは互角の戦いができていましたが、第2クォーターから攻撃される場面が多くなり、『立命館ホリーズ』のホッケーらしからぬ守備重視のゲームスタイルの試合展開になってしまい、最後の3分で失点しまった心の緩みは、これからの課題になりました。今年1年を振り返り、『立命館ホリーズ』史上最高順位を成し遂げられたことを誇りにして、これからもやっていきたいと思います。」と今後に目を向けていました。
14:30 決勝戦『ソニーHC BRAVIA Ladies』 2対1 『コカ・コーラウエストレッドスパークス』
昨年1位で2年連続の優勝を成し遂げ、過去8回もの年間王者に輝いている『ソニーHC BRAVIA Ladies』と、過去3回の優勝を誇り、昨年4位に甘んじた『コカ・コーラウエストレッドスパークス』との対決。
雨模様の中で開始された試合は、両者ともに激しい攻防戦が開始早々から繰り広げられる。11分に『ソニーHC BRAVIA Ladies』14番の小川里佳選手により先制点を挙げる。一方、『コカ・コーラウエストレッドスパークス』は、第2クォーターの23分に19番の金藤祥子選手が混戦の中からボールを押し込んで1対1の同点とする。第3クォーターの42分に、『ソニーHC BRAVIA Ladies』は、22番の山本由佳里選手による素早いリスタートから右サイドへパスで相手を切り崩し、センターリングを受けた20番の清水美並選手がゴール右隅に押し込んで2対1の勝ち越し点を決める。『コカ・コーラウエストレッドスパークス』の怒涛の攻撃を第4クォーター終了まで抑え込んだ『ソニーHC BRAVIA Ladies』が3年連続9度目の年間王者となった。
優勝を成し遂げた『ソニーHC BRAVIA Ladies』の永井監督は、「闘志あふれるプレイで『コカ・コーラウエストレッドスパークス』が挑んできましたので、お互いに隙のないいいゲームができたと思っています。課題としていた決定力不足が上手く機能して勝てたことは非常に喜ばしい。」と述べ、1年のホッケー日本リーグを振り返り、「様々な選手を海外へ派遣しています。全員が揃ってホッケー日本リーグを戦う試合が非常に少ないのですが、試合を重ねていき選手たちが成長してくれましたので、本日のゲームも集大成として、いい結果で締め括ることができて良かったです。」と話してくれました。また、来年のホッケー日本リーグの抱負は、「今年は学生チームの勢いがありました。来年も各実業団のチームも、いい選手補強をすると聞いている。お互いが切磋琢磨をしてホッケー日本リーグのレベルを上げられるようなことをして戦っていきたいと思います。」と語りました。また、阪口真紀選手は、今年はじめて主将として挑んだことについて、「2年連続8度目の優勝をしたあとのキャプテンとしての責任の重圧もありました。チームのみんな全員が頑張ろうという気持ちを強くもてて、たくさんの話が出来ました。主将というよりもみんながみんなを支え、個々の力もさることながら高いチーム力で1年を過ごせたことに感謝しています。」と話してくれました。